水炊きとはどんな料理?

水炊きは、味付けをせず水またはだしで鶏肉や野菜などの具材を煮込み、具材から出る旨味を味わう日本の鍋料理です。東京の軍鶏鍋、京都のかしわ鍋、秋田のキリタンポと並ぶ日本の四大鶏鍋料理の一つとされており、特に福岡発祥の博多水炊きが全国的に知られています。
水炊きの最大の特徴は、特に味付けがされていない水やお湯に鶏肉や野菜などの具材を入れ、煮立たせる過程で具材から出汁をとり旨味を引き出すという調理法にあります。鶏肉を用いるのが一般的ですが、地域によっては豚肉や鯨肉が使われることもあります。完成した料理は、そのまま素材の味を楽しむか、ポン酢につけていただくのが基本的な食べ方です。
博多水炊きと関西風水炊きの違い

水炊きには主に二つのスタイルが存在します。何も味付けをしていない水やお湯だけで作る博多水炊きと、昆布ベースのシンプルな出汁を使用する関西風水炊きです。
博多水炊きは、文字通り水から鶏肉をじっくり煮込むのが特徴で、骨付きの鶏や鶏ガラを長時間煮込むため白濁したスープになります。鶏の旨味が凝縮された濃厚なスープが楽しめ、素材本来の味を最大限に引き出す調理法として親しまれています。
一方、関西風水炊きは、水を張った鍋に昆布を敷いて煮るもので、あらかじめ出汁を引くことはしません。湯豆腐のように鍋つゆに味をつけず、椀に取り分けてから醤油やポン酢などで調味する関西地方の伝統的な調理法です。全国的には関西風の水炊きの方がよく食べられており、家庭でも作りやすいスタイルとして定着しています。
現在、外食店のメニューで「水炊き」といえば博多風のものを指すことが多く、マスコミに取り上げられやすいのも博多水炊きです。しかし、どちらも素材の味を活かすという水炊きの本質は同じです。
寄せ鍋との違い
よく混同されがちな寄せ鍋と水炊きには、実は大きな違いがあります。広辞苑によると寄せ鍋は「鍋料理の一種。魚介類、野菜、豆腐、鶏肉などを煮ながら食べる」と記載されていますが、より詳しく説明すると調理法に決定的な違いがあります。
寄せ鍋は、もともと塩や醤油、味噌などの味が付いている出汁を使い、具材を煮込んでいく鍋料理です。具材に味が染み込むのが特徴で、調理の過程で味が濃くなりすぎることもあります。
対して水炊きは、調味料を加えない水や薄い出汁で煮込むため、より素材の味を楽しむことができます。また、鍋を煮詰めることで味が濃くなりすぎることもありません。具材に味が染み込むかどうかが、寄せ鍋と水炊きの一番の違いといえるでしょう。
水炊きの歴史と発祥

長崎のルーツ
水炊きのルーツは古く、1643年の『料理物語』には「南蠻料理・鶏の水たき」という名で長崎の名物家庭料理が記載されています。この記録によると、丸ごとの鶏とダイコンを柔らかく水煮にした後に食べやすくほぐし、酒や塩、ニンニク、味噌などで調味して食べていました。この南蛮料理は江戸時代の終わりまで長崎の家庭料理として伝えられていました。
博多水炊きの誕生
現在の博多水炊きは、1905年に林田平三郎が「水月」という水炊き料理の店を開業したことが始まりとされています。林田平三郎は長崎出身で、香港で西洋料理を学んだ経験を持っていました。西洋料理でよく使われるコンソメと中国で食される鶏の水煮を組み合わせて、現在の博多水炊きを生み出したのです。
1910年に博多で創業した料亭新三浦は、白濁した汁の鶏の水炊きで人気を得て、後に東京、大阪、京都などにも店を出し、「博多水だき」の名を各地に広めました。このため現代において外食店のメニューに掲げられる「水炊き」は、関西風ではなく博多風のものを指すことが大半となっています。
調理法と楽しみ方

水炊きの調理法は比較的シンプルです。博多水炊きの場合、骨付きの鶏肉や鶏ガラを水から長時間煮込み、十分に出汁が出てから野菜やその他の具材を投入します。この過程で鶏肉の旨味が凝縮され、特徴的な白濁したスープが完成します。
関西風水炊きでは、昆布を敷いた鍋に具材を入れ、文字通り水から煮て調理します。どちらの場合も、完成した鍋はポン酢醤油でいただくのが一般的です。
締めとしては、残ったスープにちゃんぽん麺やうどんを入れたり、ご飯を入れておじや(雑炊)にしたりします。九州風では麺が多く、関西風では飯を入れることが多いとされています。素材の味だけでは物足りない場合は、少し多めにポン酢を入れたり、柚子や塩、ネギなどの薬味を加えることもあります。
現代における水炊き
現代では、相撲部屋のちゃんこ鍋でも水炊きの手法が用いられることがあります。また、しゃぶしゃぶは牛肉の水炊きの別名として全国に広まったとも言われており、水炊きの調理法は様々な鍋料理の基礎となっています。
水炊きは、調味料に頼らず素材本来の味を最大限に引き出す日本料理の真髄を体現した料理といえるでしょう。シンプルながらも奥深い味わいを持つ水炊きは、現代においても多くの人に愛され続けている日本の代表的な鍋料理の一つです。
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